JOURNAL

お知らせ・日記・動画など

DATE : 2019.05.29

一つ一つの所作を丁寧に、心を込めて

 字について考えた。

 日本語の文字は横の線と縦の線でできている。
その流れで斜めの字も決まる。
 だから文字の美しさは横が水平に書け、縦が垂直に書けるかで決まる。
 
 日本語を書くためには、目の位置、唇、肩のライン、骨盤、ひざの位置が平行でないと字の横が水平にならないし、
鼻、へそ、膝の内側のラインが垂直でないと縦の文字が真っすぐにならない。
 だから日本語はその人の身体の状態を表しているので、
私は研修レポートの文字で、その人のゆがみを診察している。

 人の心身は面白いもので、義務感で書いている人は清書もせずに書きなぐっている。
 私と会話をするようにイメージして書いている人は、
 丁寧で心がこもっている。
 文字は、その人の姿よりも本質を表現しているから
 ワープロでレポートではなく、手書きにしている。

 私は通信の新入会の人への宛名や、地方研修の人へのあて名書きを年間千通くらい書いている。
 常に「この人がもらった手紙の中で、最も自分の名前を美しく書いてくれた手紙」であるように心を込めて書いている。

 ある人から「先生から頂いた封筒は額に入れて飾ってあります」と言われたことがあるが、それはとても嬉しかった。

 何気ないあて名書きの作業を、惰性で義務的にやる時は
 教室での指導も義務的で惰性になる。 
 
 日常の動作そのものが自力整体の指導になるのだ。

  

by 矢上 裕

OTHER POSTS

その他の最新記事