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DATE : 2023.07.05

自力整体ダイアリー講座  何故、年を重ねると痛みがでてくるのか? 脊柱管狭窄症             

脊柱管狭窄症という病気があります。腰が反り過ぎているために、背骨が前に滑ってズレ、そのために脊柱管に入っている脊髄神経が圧迫される病気です。日本人の70歳以上の半数近くがその病気か、その予備軍になっていると言われている国民病です。

症状は腰を反らせると痛むが、しゃがんで腰を丸くすると楽になる。

歩いていると段々と足がしびれたり痛くなって、途中でしゃがむと楽になる間欠性跛行があります。

整形外科ではレントゲンやMRIの撮影だけで狭窄症と診断し、ひどい場合は手術という流れになりますが、本当は手術をする前に常に腰を反らせようとすることを止めさせるのが先です。

病院で狭窄症と診断された患者さんが来た時、私は立たせてみて腰を触ります。すると「どうしてこんなに腰を反らせるために力を入れるのか」と思うくらい力が入っているのです。

「抜いてごらん」と伝えても、本人は「力は入れていません、抜き方がわかりません」といいます。要するに「慢性的に常に力をそれも何年間も入れ続けているために、麻痺してわからなくなっている」のです。

おそらく、レントゲンやMRIを撮影している時も腰に力を入れて反らし続けているから、筋肉に引っ張られて腰椎が前にズレた状態を撮影しているから管狭窄になっているわけで、力を抜かせて撮影していたら狭窄ににはなっていないはずです。

 だから触れもしない、姿勢も診ないで撮影だけの診断は恐いのです。

 そして一度病名を告げられたら、本人はその後何年も「自分は管狭窄症と思い込んでしまっています」もう既に治っている場合でも一度告げられた診断名が頭にこびりついているのです。

治療も予防もただ一つ「異常なまでに力を入れている背骨の後ろの筋肉の力を抜く」ことです。何故力を入れる癖がついたかというと、姿勢を良くしようとして力が入るのです。

狭窄症はアナウンサーの職業病と言われるくらいに多いのですが、テレビカメラに向かって胸を張って姿勢を正す時間が長いことから起こるのです。

だから、「胸を張る姿勢病」です。

そして又、何故身体を起こさなければと思ってしまうのかというと、胸が下がるからです。

下がった胸を起こそうとして腰を反らせてしまうのです。

何故、胸が下がるのかといえば、腸腰筋と腹筋が凝っているからです。

骨盤と肋骨に繋がっている腹筋が無意識で常に緊張していると、胸を下に下げます。だから腹筋を柔らかくする必要がある。腹筋が軟らかくなれば胸が持ち上がり⇒腰に力を入れて反らせようとしなくなる⇒すると前に飛び出していた腰椎が元の位置に戻る⇒狭窄症が治っている。

という図式がなりたつのです。

 もし整形外科の先生が患者さんの腰やおなかに触れてくれさえすれば、この事はすぐにわかります。余計な腰の力を抜くだけで手術の必要もなくなるのです。

 レントゲンやMRIに写っている骨の姿は結果です。 

レントゲンやMRIには筋肉が写りません。骨だけです。

もし筋肉の緊張状態が撮影できるのであれば、問題は狭窄症になるまで骨を引っ張り続けている筋肉に焦点を当てた治療と指導ができるはずです。

狭窄症の原因は余分な腰の反らせ癖による、骨の位置が狂った状態です。

この反らせ癖が治っていなければ切開して腰の位置を正しても、反らせ癖がそのままであれば

再発することは目に見えています。結果を手術で除去するのではなく、反らせ癖という原因を排除することで骨の位置が変わるのです。

 また、胸の位置を高く保とうとすると胃の経絡が引っ張られて胃痛がおきます。

そんな時に胃薬を飲んでも仕方がない。無理やり胸を張ろうとする癖をなくすことです。

 反らせ癖の治し方は、日本人本来の骨格体型である。骨盤後傾へ戻すことです。

 まず、①で顎を引き、首と仙骨に手を当てて一直線にし手伸ばし、腰の反りを直す。

②でお尻を下げ、腰を丸めるように骨盤の後ろ側を下げる。

③で軽く膝を曲げ、かかとに体重をかける

④で持ち上げて張っていた胸をすぼめ、下げる。

 これは2023年7月3日の読売新聞に掲載されていた古武術の立ち方ですが、腰の反らせ癖を直すのに

最適な方法です。

 日本人に狭窄症が多いのは猫背が多いからです。

その猫背を起こそうとして腰に力が入り、それが腰の反らせ癖となるのです。

下の写真は1998年ごろの 実際の脊柱管狭窄症の治療。この方は一回の治療で回復しました。

 

by 矢上 裕

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