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DATE : 2019.10.20

本当の幸せとは 相手を喜ばせることの喜び

ここまで私を引っ張ってきたものは何だったのだろうと
 ふと考えてみた。
 いわば自力整体を生み出した動機、原点である。

 21歳の鍼灸の学生1年の時、大阪のマッサージ店で
 住み込みのバイトをしていた。
 そこでお客さんを治療するようになって以来、
 治療家としてここまでやってきているが、
 私の原点は「人を治したい、治す方法を見つけたい」だった。

 教室を経営するようになっても、その考えは変わらず、
「生徒が増えることには関心がなく、来ている生徒が治っているかどうか」が気になっていた。
 極論するなら、長年来ているのに治っていない人は来る必要がない。来ないで欲しい」くらいの頑固な治療家魂だったと思う。

 だからヨガ指導者として9年学んだ時代は、
 生徒を増やすという経営者目線ではなく、
「ヨガで治らない奴は駄目だ、そんな奴は来る資格がない」
 という目線で指導していたので、経営者からは嫌われた。
 
 どうしてもお客さんではなく、患者さんなのだ。

 それは生徒ではなく、ナビゲーターを指導する場合でも同じ。
「ナビゲーターとしてこうあらればならない」ではなく
「ナビゲーターであろうがなかろうが、痛みや不調が治ること、
心地よい暮らしができること」が私にとっての大問題なのである。

 数を達成させる経営者という目から見たらダメな人かな。

 中国映画でヒットした「初恋の来た道」という映画がある。
 一人の学校の先生が老いて死ぬのだが、その葬式の行列には
 成人になりった数えきれない人数の教え子たちが集まり、
 棺を担ぎ ふぶきの雪の道を歩いていた。

 あこがれたな。涙が出て止まらなかった。
 先生を慕って集まってくれた弟子たちが吹雪のなか、
 行列が果てしなく続く。

 うわあ、それだけ慕われた先生 だったのか。

  うらやましい。

 自分が死ぬときも、そんな行列が理想だなと。

 成功というのは数ではない。お金でもない。
 人の幸せを願い、自分の全てを捧げること。

 見返りを求めず、その行為そのものが生きがいであり、
 生きるエネルギーになっている人生がいいな。

by 矢上 裕

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