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DATE : 2020.08.22
先手、段取り、用意周到
この言葉は料理研究家の辰巳芳子さんの言葉で、その後に「そして念入り」が続く。
私も料理が好きで調理師の免許を持っており、大学生の頃は料理屋でアルバイトをし、その技を盗んできたが、料理の達人たちは同じことを言っていた。
その一つが、料理は下ごしらえが命、つまり準備段階を大事にしていた。
その考えは今でも私の仕事の基本である。
例えば地方の研修を企画するとする。企画したらそれを通信で発表して募集する。応募してきた人に案内を送る。 入金を確認する。資料を作る。現場で研修をする。最後は参加者から送られてきたメールを読む。私はこれを誰かにやらせるのではなく、その手順を一人で行うのだ。
研修は事務的な準備作業から行うことで、参加者とのつながりができる。すると研修会場で初対面でも、全員の名前は大体覚えているし、緊張することなくすでに準備段階で交流してきた人々に教えていくわけだから、お互いがリラックスできるというわけだ。
だから準備を人任せにしないというのが、私の流儀である。「何も創始者の先生がお金の入金の確認までしなくても、そんなことは誰かに任せればいいのに」と思われる方もいるだろうが、私にとって「先手、段取り、用意周到」こそが研修を成功に導くコツだと信じてやっている。
というより、何事も本番だけに力を注いでも、面白くないのだ。準備を他人に任せて本番だけやるというのでは、創意工夫もなければ、毎回の学びや成長につながらない。
はっきり言って、仕事というものは毎日同じことの繰り返しだ。済ませるだけの仕事、こなすだけの仕事、慣れているから小手先でやる仕事の取り組み方では成長どころか、仕事がストレスになり、仕事帰りの居酒屋で憂さ晴らしの日々を送るだけ。
仕事は本番に向けての準備が楽しいのだ。仕事の8割は準備だから準備が楽しくないと仕事もつまらない。 華やかな光の当たる仕事だけなんてない。
秋の稲刈りの収穫を待ちわびながら、毎日毎日来る日も来る日も田んぼの草取りをする。 この退屈で、面倒で、サボりたい草取りが 仕事というものだ。
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