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DATE : 2023.07.08
自力整体ダイアリー講座 痛みの研究 セロトニンと日本人
近年うつ病の増加から、セロトニンというホルモンのことを知るようになりました。
うつ病の方は体内にセロトニンが少ないので、体内に残っているセロトニンが再吸収されるのを防ぐセロトニン再吸収阻止薬というのが処方されるそうです。
しかし、元々セロトニンの生産が少ない人に、阻止薬を処方しても効くのかどうかという疑問もありますが、セロトニンは腸の粘膜の中の腸クロム親和性細胞で作られ、その生産には腸内細菌がかかわっているので、うつ病は腸内細菌の改善こそが最大の治療法だと思うのです。
さて、このセロトニンですが、実は痛みの感受性に大いに関係があるのです。
私は21歳で鍼灸学校へ入学して以来、70歳に至る現在まで50年近くを「痛みの原因とその解決法」をライフワークにしてきました。
そして足腰の痛み(腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、膝の痛み)が専門得意分野です。
そして最近分かってきたことは、「痛みに強い人と、弱い人があり、日本人は弱い人の部類に入る」ということが分かってきました。
現在日本には21万件の(2007年現在)鍼灸院や接骨院、整体院、マッサージ、リラクゼーションなどがあるといいます。(コンビニ数は当時5万件)それは整形外科で治らなかった痛みを抱えている人が保険適応ができない実費で5千円~1万円を支払って治療を受けているのです。それも毎週連続して何年も通っている。私も治療院を経営していたのでわかりますが、定期的に通ってくださる患者さんが100名いないと経営が成り立たないので、21万件が存在できているということは2千万人の方が実費治療に通われていることになります。
これはひとえに日本人は痛みに弱い(我慢強いという意味ではなく、痛みを感じやすい国民性)
ということが言えます。また還暦を過ぎて「身体のどこかも痛くない」という人を探すのが難しいくらいです。
果たしてこの状況の原因は何なのか?
これを追求研究していくと「セロトニンの分泌が少ないから」という結論に至ったのです。
もちろん、セロトニンだけが問題ではありません。脱水、飲食の不摂生・排泄の不完全 、身体の歪みによる慢性の緊張という3大痛みの原因が基本にありますが、やはりセロトニン不足が大きいのです。
何故、セロトニンが少ないと痛みに弱いのか?
これまで分かっているセロトニン効果は、
1,気分を爽快にし、幸福感を与え、不安感をなくす。心の痛みを癒す。
2,朝のすっきりした目覚めと、夜の熟睡を促す。
3,便をスッキリ出し、腸内清掃人の役割をする。
4,身体に生じる筋肉や関節の痛みを脳が感じなくする。(怪我や重篤の疾患などは痛む)
そのことが分かってから、私が治療してきた患者さんや自力整体の生徒の特徴は
1,痛みにとらわれ過ぎて、常に怒り、不安、恐怖感があり、不幸感が一杯である。
2,朝すっきり起きられず、不眠症が多い。
3,便通が悪い
痛み、不眠、便秘、不安感 がセットになっていました。
長年、このセットが気になっていましたが、それは8割のセロトニンを作る、腸の腸クロム親和性細胞と腸内細菌がセロトニンを生産できていないことが原因だということがわかったのです。
これを実感したのが、私自身の坐骨神経痛を断食で治した体験です。
21日間の断食をした最終日、足を引きずり歩いていた私が痛みがなくなったおかげで、17キロのランニングができるようになりました。そしてその時におなかに溜まっていた滞留便が排泄され、0.1の視力が2.0になり、お酒を飲まなければ寝られなかったのが、それなしで熟睡できるようになったのです。 それよりも強く感じたのが多幸感です。断食前にあった鍼灸師を師弟ながら自分の坐骨神経痛が直せないという自信の喪失と、転職しかないという迷いが吹っ切れてとても幸せな気分を今でも思い出します。
後年これは「断食によって腸内細菌が復活し、セロトニンが多量に分泌された結果」であることがわかったのです。
断食の効果をいろいろ言いますが、これは腸内細菌の復活によるセロトニン効果だったのです。
でも、断食は一人でやるには難しい。そこで断食と同じくらい胃腸を休ませることのできるお粥を使った断食です。お粥は弱った胃腸を回復させ、悪い腸内細菌を排泄し、セロトニンを生み出す腸内細菌を育てセロトニンの分泌を促します。
そこで、痛みに困っている方には3日間のお粥断食をお勧めしています。
ただし、いくら腸がセロトニンを生産分泌しても、これを脳に届けてくれるのが自律神経です。自律神経の中でも休息時に働く副交感神経が、腸から脳にセロトニンを運ぶ指令を送るのです。逆にストレスが多くなると交感神経が副腎からコルチゾールというホルモンを出します。
すると、コルチゾールは腸内のセロトニンを作る腸内細菌をガタガタにし、便秘になり痛みが治りにくいという悪循環に陥りますので、「腸をストレスから守る」という意識が必要です。
ということが分かってから私は日本人の腸内細菌を悪化させる乳製品や動物性たんぱく質はほとんど取らなくなりました。その代わり私たちの先祖が食べてきた米、大豆、海藻を多く食べています。すると腸内細菌が活性化したのか、素晴らしい朝のお便りがあり、セロトニンの分泌がこれまで以上に分泌されているなあと感じるのです。
やはり、西洋人の好む動物性たんぱく質が食べる習慣がなかった日本人が食べると、セロトニンを作る腸内細菌が弱ってしまいます。
ですから、私は生徒には「ま(豆)ご(ごま、ごぼう)わ(わかめ)や(野菜)さ(魚)し(シイタケ)い(芋)」という和食を勧めています。
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