JOURNAL

お知らせ・日記・動画など

DATE : 2024.04.22

女性の為の自力整体講座 3 骨盤開閉の仕組み

骨盤は1個の骨のように思いますが、実は左右に分かれていて、後ろ側は左右の仙腸関節、前は恥骨でつながっており、その関節をつないでいる梨状筋や靭帯が自律神経の指令を受けて、例えば交感神経が優位になると閉じ、副交感神経が優位になると開くという仕組みになっています。

そして閉じ切った時が最も体温が高く、開ききった時が体温が下がるようになっています。

この骨盤が開閉するという考えは西洋医学では否定しています。というのは「左右の仙腸関節は強力なじん帯でつながっているので開閉はしない」というのが定説だからです。

整体ではそんなことはない。男性はあまり開閉しないが、女性は一日を通じて、毎月の生理に応じて、妊娠と出産において大きく、といっても5ミリほどですが確実に開閉している」と考えていますので、ここでは整体療法のルールで説明します。

下の写真とイラストを見てください。

女性が手で示している場所が仙腸関節で、この部分が開閉します。

開閉するのは梨状筋という筋肉の収縮と弛緩によって行われています。これはほとんど気付かないうちに行われていますが、この梨状筋を自力整体で動かす訓練をすることによって、開閉力を強化することができます。

骨盤の開閉と月経

排卵の時の患者さんのカエル足運動を観察すると(下の写真で片足のひざを脇の方に向かって引き上げる動作をカエル足運動といいます。この動作で左右どちらの骨盤が緩んでいるのかを診察します)

多くの患者さんの治療をするときに、私は最初の診察で右の写真のような動作をさせて、左右の骨盤の開きを診察し、治療の後に左右差が少なくなったか動かを診察するという治療をしていました。

 写真の方は肩こりや首の不調を起こしている患者さんですが

右骨盤が開きすぎで、左が開かないで不調を持っている方です。(右ひざの方が脇の方に近くまで持ち上げることができるということは右骨盤が開きやすいということです)

 この差が首のねじれの左右の違いを生み、首の不調を起こしているわけです。だから首の不調を治すためには、左右の骨盤の開き具合をそろえ、膝が同じように脇に引き付けられるようにすることが整体治療となります。

 さて、話しを生理痛やPMSに戻しますが、多くの女性をカエル足運動で診察してきて感じたことは、生理痛やPMS、不妊、難産、産後の不調、更年期障害、老年の足腰痛の悩みで来院される方の全てがこのカエル足運動の左右差が激しく、整体治療で左右均等にすると治っていくのです。

何千人とカエル足運動で診察している内に、面白いことがわかりました。ほとんどの人が右足が上げやすく、左が上げにくいのです。これは男女共です。

そのことから、私たちの骨盤は左の開閉の幅が少なく、右が広くできています。つまり左の幅が4とすると右が6くらいで左右対称ではないのです。わずかな差であれば問題がないのですが、左右差が左が2で右が8の人が出産すると、さらにその差は広がり産後の不調が表れますので、妊娠前から左右対称にしておくことが、全ての生理痛やPMS、不妊、難産、産後の不調、更年期障害、老年の足腰痛の予防となるわけです。

この左右対称にする自力整体が以下です。

この開いた時に、お尻の梨状筋に力を入れたり、抜いたり、揺さぶったりすることで

仙腸関節を開閉する梨状筋に刺激を与えてやるのです。

by 矢上 裕

OTHER POSTS

その他の最新記事