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DATE : 2020.07.31

講談師 旭堂南陵師匠の思い出

 旭堂南陵師匠がなくなった。70歳であった。

 私は2003年から5年ほど、文章の勉強に藤本義一先生の心斎橋大学に通っていたが、その縁があり、関西文化人川柳の会に入会し、毎月一回は大阪の料亭などで会合があり、自作の川柳を持ち寄り1位から3位までを決める。とても楽しい会であった。

 その時に毎月ご一緒していたのが、講談師で参議院議員でもあった、当時は小南陵師であった。

 元々川柳の会は江戸時代に一種の博打として始まったそうで、皆が自分の作品にお金をかけ、一位になった人がそれを独り占めにするということで、幕府から禁止されており、それが今の川柳の会に引き継がれているが、今は博打ではない。

 関西の文化人だから、私みたいな素人が投稿しても一位は取れなかったが、小南陵師からこんなアドバイスをもらった。それは

「川柳だから笑わそうと思って書いても、この会では受けないぞ。ほろっとさせる方が受けるから、それをやってごらん」と。

 それで私は「そうだったのか!」と思い、こんあ句を作った。

「線香より たばこがいいよね 父の通夜」

 ヘビースモーカーであった父の葬儀でのつぶやきである。

 何とこれが一位になったのだ。ありがとう南陵師匠。

 今でもあの感動は忘れない。

by 矢上 裕

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