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DATE : 2021.01.15

猫背姿勢に対する質問

 前回のオンライン教室の授業を受けての 質問です。

息を吐き切って深く呼吸するのに、三日月の形の胸と背中がいいとのことでした。

以前、深い呼吸をするために「猫背直し」をしたことを覚えています。

「三日月の猫背」と「呼吸がしにくい猫背」の違いを教えてください。

お答えします。

 結論から言うと猫背は「呼吸がしやすい姿勢」です。

決して「呼吸がしにくい姿勢」ではありません。

 私が誤解させたかもしれません。

 私は人間は「猫背が一番健康な背骨で、姿勢が良い」と思っています。

 人間の背骨は背中が後ろに出ていて、本来、背中が丸いのが正しいのです。

 それを明治の中期ごろから、学校で猫背と名付けて、悪い姿勢という代名詞になってしまったのです。

 当時は国民皆兵でしたので、ドイツの軍隊の真似を小学生から叩き込んでいたのです。

 まだ、「起立、礼、着席」という軍隊の名残が、学校教育の現場で行われていますが、変だと思いませんか?

  自力整体の授業の最初に、呼吸をしやすくするための実技があります。

 ガチガチに固まって背中を丸くできない背骨をほぐす実技で、

  仰向けで腰と膝にタオルをクロスしてひっかけて、手を万歳して胸郭を持ち上げ、ひざを前後して揺する動きです。

これを「猫背直しと」呼んでしまったので誤解させているようです。

 「猫背直し」という言葉を使わず、「背中ほぐし」というべきだったのに

  猫背の方が言いなれているから、使ってしまったということです。 

 これから「背中ほぐし」に改めます。

  さて、人間が最も息を吸い込みやすく、吐き出しやすい姿が 

胸椎を丸くして 肩甲骨を拡げて、背中を縦横に膨らませる姿勢です。

  ほら、駅伝の選手がゴールした時に、ひざに手を当てて背中を膨らませて息を整えているでしょう。誰一人として、ラジオ体操のように胸を張って背筋を伸ばして呼吸していませんよね。

  この姿勢を私は三日月の姿勢と呼んでいますが、  

 あの姿こそ、たくさんの酸素が取り入れられるから、自然に選手はやっているのです。

  だから座禅で座っている時も、背筋を伸ばすのではなく、胸とおなかをすぼませて、背中と腰を膨らませなさい。 駅伝のゴール時の三日月姿勢をしなさいと言っているのです。

  いい質問をしてくれました。

  今回良い機会ですから、呼吸にとっても、脱力にとっても 猫背=悪姿勢というイメージを捨て 「背筋を伸ばして、胸を張って、あごを引く」という軍隊姿勢こそが最悪で、 「おなかをすぼめて背中を膨らませる三日月姿勢」が良いということを理解してください。

 おなかや胸をすぼませることにより、肺の中の残気をすべて吐ききることができます。 背中を膨らませることで、肺に酸素を入れやすくなります。 

 太極拳の動きをイメージしてください。 

手は大きなボールを抱きかかえるように、肩を脱力させて前に出し、

 必ずひざを曲げて、胸とおなかをすぼめて背中を膨らませていますよね。

 あれが、理想の姿勢です。

 あなたと同じ授業を受けた人からは、こんなメールが届きました。

「昨日の授業は凄い効きました。

ほぐれて今日の身体動作、生活動作がとても楽に行えます。

こちらは最低マイナス9度、最高も0度にならない気温の日が続き、ほぐしてもすぐカチカチの身体でしたが、昨日の授業は本当にわたしには良かったです。

従来に手首の動作、それに肩回し。三日月のイメージで背中お腹を緩めたことで、呼吸が楽にできるようになっています。

酸素が行き渡る身体はしなやかで、嬉しい!

余談ですが、少し巻き気味の肩で、膝も少し曲げ、三日月のイメージで呼吸する立ち姿。

昨夜試しにこのポーズで合気道の技をしてみたら、完全に全身脱力して、掌だけを呼吸力が保持したまま

力みなく技がかけられることができました。

また、このポーズは丹田に自然と意識が向き、無になります。

そのようにするよう、合気道では指導されてたのですが、いまいち掴めていませんでした。

矢上先生の自力整体で、細かい説明や理屈、コツを教えていただいたことで、昨晩でその体勢をつかむことができました。

ありがとうございました」

by 矢上予防医学研究所

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