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DATE : 2020.05.20

可愛い爺さんになりたい。

 明日から兵庫県も自粛が解除、嬉しいな。
 雪国で雪に閉じ込められて、
 やっと春が来たような感じになるだろうな。

 こちらはコロナに閉じ込められたが。

 家の前を散歩していると、この街に美しさに感動する。
 電線のない道路、道路際が花畑になっていること。
 歩道には楠と楡の木が 見事にトンネルを作っている。 

 春の花は今が花盛りで、
「今度は私の出番」とアジサイがぐんぐん育っている。
 百合のつぼみも、もうすぐ咲くようだ。

 犬のエリーは今年の12月で20歳を迎えるが、
もう老齢で耳も聞こえず、目もうっすらしか見えない。
 散歩も恐る恐る歩いていて遅く
 私がリードで引っ張る方へ歩いているだけ。

 散歩仲間も、20歳で元気に散歩しているのを見て驚いているが、 家の中は大変だ。
どこでもおしっこするし、意味もなく徘徊している。
だから家に帰ったら、おしっこを踏まないように
 恐る恐る歩いている姿は、こっけいだ。

 でも、もうすぐ別れが来るだろうな。
 20年も、私たち家族を慰めてくれた。
 まさしく、「何かを成し遂げたから存在価値がある」
 という「人間の思い込みを否定するように、
「ただ、ただ、存在するだけで価値がある」
 ということを教えてくれる。

人間も「可愛い存在」でありたいものだ。
何かを成し遂げたから、「どうだ俺はすごいだろう」
というのは可愛くない。

何も主張せず、ただただそこにニコニコしているだけで、
 皆から愛される そんな可愛い爺さんになりたい。

by 矢上 裕

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