今日は台風の日、でも教室は開講した。
　参加者は2名。無理もない電車が動かないもの。

　「何でお盆なのに休まないの？」とか
　「台風なのにやるの？」　と言われるが、私は人が一斉に休むときは仕事をして、仕事をしている時に休みたい。　その方が映画館も空いているし、人混みが好きではないから。

　2人指導で気づいたのは、日ごろ多人数を指導している私にとって、とても贅沢な時間であった。自分一人でやっている部屋に二人の人を招いて、優雅に自力整体を楽しむ感じで、
　同じ90分なのに、時間の流れが違う。
　こんな味わい方もあるんだな。

　私は日ごろから「自力整体を味わってほしい」と
思っている。
　自分が元気な時にやる自力整体の味は淡白であるが、疲れ切った時にやる自力整体は濃厚な味わいがある。　
　お昼の1時半から始まる教室に1時間前に入り、
今日の参加者に食べていただく自力整体の下ごしらえと、メニューをお出しする順番を考える。
　そして前菜から始まりメインとお出しする。
　私にとって日常の授業とはそんな感じである。

　だから料理をお出しするタイミングが重要。
　相手の口に食材があるのに、次の料理は出さない。
飲み込んで、次の料理が欲しい時のタイミングを見計らって次の料理（自力整体）を提供するわけだ。

　授業の1時間前に厨房に入り、本日のお客様への料理を順番通りに並べる。
　授業が始まったら、ウエイターになってお客様の食べる速度やタイミングに合わせて、次の料理をお持ちする。
　そして満足して帰る姿を見て、明日も頑張ろうと思う。　
そんな日々が続くことが　私の幸せである。

by 矢上 裕