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DATE : 2019.09.17

演劇をやっていた 学生時代を思い出した

  
 今日の感動は三谷幸喜の映画
「記憶にございません」だわ。

 嫌われ者の総理大臣が、頭を打って記憶喪失になって善人になっていくというストーリーだが、展開が早くて退屈させず、
 一人一人の役者が、演技過剰なのが面白い。
 三谷幸喜脚本の映画は、20年前の「ラジオの時間」を
 始めて観て以来、これまで全て観ている。

 普通、俳優って役になり切って自然に見えるように演じるものだが、三谷映画は役者が競って演技過剰なのが面白い。
 役者自信が過剰な演技を楽しんでやっている。
 これなら面白い映画になるよ。
 もし、これから観る予定の人は、
「役者が楽しく演技過剰で乗りまくっている」のをご鑑賞あれ。

 黒沢明監督は役者を完全に自分のイメージ通りに演じさせる
 支配型の監督だったが、
 三谷監督は、役者に思う存分自由に演技させて、
 それをまとめる調整型の監督なんだな。
 それが、映画の面白みになってくる。

 実は大学生の頃に私は演劇に夢中になっていて、
 その演劇部の後輩に豊川悦司がいる。
 役者として私はセリフを覚えるのが苦手だったわ。
 公演の途中で突然セリフが出てこなくて、
 相手役がささやくようにして教えてもらったことがある。
 観客の前でセリフが出てこないのは恐怖。かっこわるい。

 その冷や汗もののトラウマがあるからか、夢をよくみる。
 セリフを全然覚えていないのに舞台に出されて、
 自分の番が来るのをドキドキして待っている夢だ。
「ああ、どうしよう!」とうろたえて、
 目が覚めることが あれから45年たった今でもあるもの。

 おかげさまで、指導歴が31年目になるにもかかわらず、
指導中に「ああ、どうしよう、次の進め方がわからない」
 ということがない様に、
入念に準備とシュミレーションとリハーサルをやるようになった。

 あの大学時代の「本番でセリフを忘れてしまった恐怖心」
 を経験したことが今の入念な準備につながったのだから、
 若い頃の失敗は、それを活かせば人生の財産につながるな。

by 矢上 裕

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