私の仕事机の前には、ポットがある。
　常に、お湯が飲めるようにだ。
　時々インスタントの赤だしを作るが、それがうまい。20年来のファンである。

　仕事の机の横が寝るベッドだから、朝起きたらポットから白湯を飲む。すると胃が目覚めてグーと収縮する。　
　だから目が覚めたら、白湯で胃を目覚めさせる。
　夜寝る前も白湯で胃を温めてから寝る。

　そうやって生活していると、つくづく人間は水で生きていると思う。水を飲む（私の場合白湯だが）度に脳が明晰になり、筋肉が喜ぶ。
　朝から立ちっぱなしで原稿を書いていても、疲れない。　人間の食べ物って水だよ。

　水をしっかり得ていたら、心が落ち着く。
　食べ物を欲しがらない。今は一日一食で茶碗一杯のお茶漬けだが、それで満足だ。
　人間の主食は水、私の主食は白湯。
　朝起きてベランダで太陽を見つめながら、白湯を飲み深呼吸をすると、子供の頃に理科で習った
植物が水と酸素と光で生きている光合成を思い出す。
　ベランダで、光合成をしたあとは
　輪っかタオルでひざ縛りだ。横になって緩んでしまった足の筋肉を引き締める。
　そして目を洗い、ひげを剃り、風呂の湯船の中で歯を磨き、ゆすがないで歯磨きを残したままにする。

　そうしていると第一排便のお便りが来る。
　それが済んだら19歳の犬が呼びに来るので、
　朝の散歩。

　世の女性にわかってもらいたい。
　男って変化のない、同じ日常が好きである。
　私もその一人、自分のスケジュール通りに生きるのが好き。これが最高のストレス解放なのだ。
　
変化、サプライズの好きな女性には
面白くないだろうけど。
　そうなのだよ。
　

by 矢上 裕