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DATE : 2020.02.05

上書き保存の生き方

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「上達論・・・甲野善紀、方条遼雨著」はいい本だ。
まず、表紙の言葉に魅了された。それは
「まずは基本を身につけよう、この言葉に呪縛されて」
どれだけ多くの才能が芽を吹かずに枯れていったか」
私は同感である。

これは自力整体を私から学ぶ人に読んでほしい。
武術家甲野善紀という人は私と似たというか、私も変わり者だが
同一者が存在していたと嬉しくなる人であるので、この本を
読むと私の弟子が書いたのでは? と思うかも。

どこが変わり者かというと、
弟子を教えることはしないで、一緒に稽古しているやり方。
自分のありのままの姿を隠さないこと。
毎日が実験であり、完成がないこと。
言うことがコロコロ変わり、周りがついていけないこと。

私は講義のレジメを書くが、保存しない。
前回のレジメを修正して、上書き保存にしている。
だから、前回はこうだったと聞かないでおくれ。
覚えていないから。記録も残さないし。

上書き保存の生き方は楽だぞ。
昨日の文章を見て、改善工夫をして更新する。
それが毎日続くのだから、過去にこだわることもない。
逆に言えば、過去の記憶にとらわれている人は
今を創造工夫して生きていないから、過去が上書きされて
いないのではないか。
少しでも良くなりたいという気持ちがあれば、
過去は上書きされるはず。

自力整体の生き方は、上書き保存の生き方である。

by 矢上 裕

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